だいじょうぶ。おたんじょうび。




昨日は体操教室でした。体育館まで
迎えに行って、二人で手を繋いで帰りました。

もう辺りは真っ暗です。

”かえったら、『くるくる かいてんずし』で、あそぶんだー。”
とぴょんぴょんスキップしながら嬉しそうなユウ。

『くるくる 回転寿司』は、今年のユウのお誕生日プレゼントでした。
リカちゃんサイズのお寿司屋さん。去年からお願いされていた
プレゼントです。

”ユウの、おたんじょうびプレゼント、すごーくうれしかった！！

おかあさんにも、いいもの、考えてるからね。

お父さんと、いっしょに、考えてるからね。”

という。

わー。そうなんだ＾＾
お父さんと考えてくれてるんだね。
嬉しい。

”本当はね、お母さんのいちばん ほしい もの じゃ ないんだけど。
だけど、２ばんだからね。ごめんね。”
と続けるユウ。

”？ プレゼントに、一番も二番も無いよ？
『考えてくれてる』ことが、すごーく嬉しい。ありがとう”

と言うと、

目を合わせて笑ってくれるユウ。

”おかあさんが、一番ほしいのは、あかちゃんでしょ？
でもね、それはユウが、『ふたご』を生むからね。
もっと大きくなったらね。

『いちらんせい』の、ユウとそっくりな ふたごだよ。
だから、それは まっててね。”

と続けた。


・・・私が一番欲しいものは、赤ちゃんだと思っているんだ。ユウ。
確かにユウには妹や弟が居ないことに ごめんねと思うことがあったけど、
そんな風に伝わっていたんだ。

陽の落ちた暗い道の、ユウの横顔を見る。

ごめんね。
ユウ。

そうじゃないの。

私は、姉に、妹に沢山助けられて来たから、
姉に、妹に沢山教えてもらったから、

ユウにも妹や弟が居たらいいなと思ってただけ。
ユウは、どんなお姉ちゃんになるんだろうなと想像していただけ。

私が夢見たのは
新しい家族に喜ぶユウの姿。

でもユウは
”わたしが うむね”と思ってくれたんだね。


体操教室からの帰り道。
トンネルの手前で、ユウを手を握ったまま、

大人げなく、ボロボロ涙を流して泣いてしまいました。

”・・・双子の赤ちゃん、産んでくれるの？ユウが？”
急に涙声の私に、ユウがびっくりして

”おかあさん？ないてるの？なんで？”と顔を覗きこむ。

ユウの顔にも、涙がぽたぽた落ちてしまう。
言葉に詰まって想いを伝えられないでいると、

”どうして？どうして？ないてるの？？？

・・・ゆうも、かな・・・しく・・・なるーー。うえーーーーん。と

泣き出してしまった。


ありゃりゃ。大変。
悲しくて泣いたんじゃないのに。
ありがとうと言いたかったのに。
心配かけて、泣かれてしまった。

大急ぎで涙を拭いて

”お母さんは、ユウの言葉が
嬉しくて泣いちゃったんだよ。説明するから、もうちょっと待ってね”
また歩き始めた。

ゆっくり

”ありがとう。ゆう。すごく、うれしかった。ユウの言葉”
と伝えると

”すっごく、かわいい子、うむからね！”と力強く答えてくれたあと、

”おたんじょうびには、まにあわないけど。
でも。だいじょうぶ。おたんじょうび。

いいものだから！”

なんだろ。色々考えてくれた、プレゼント。
まだ少し先だけど、楽しみにしています。


ありがとう。
ありがとう。


もう何もいらないくらい素敵なプレゼントをもらった
昨日でした。


写真は、春雨サラダを勢いよく食べるユウ。