幸せな気持ちの根っこ。

帰宅したユウが
夕飯を並べるのを手伝いながら
私の後ろにくっついて色々話してくる。

朗らかに
きゃっきゃと
最近お気に入りの歌やお洋服とか
その日あった学校の話とか
テスト勉強が”なんの役に立つの？”とか

話している内容は
いかにも”中学生”という感じ。

そして中学生
心の中全部は親の私に話さないし、
見せないし、きっと話したくないこと
見せたくないことも
沢山あるんだろう。

転んで痛ければ　うえーんと泣いて
離れて寂しければ　うえーんと泣いて

横を歩けばきゅーっと手を握ってきてくれて
目につく、お花、虫、
感じたいい匂い
全部全部
たどたどしい発音で
伝えてくれていた頃が懐かしい。

大きくなったユウが
少しだけ寂しくて
とっても頼もしい。

中二になったユウが
ふと、”友達にすごく助けられてる”と言う。
”しあわせものだな。ユウ”　と言う。

ユウのその
友達の有難さに気づく根っこ
何気ない日々の幸せのかけらに気づく根っこは

14歳までの今までの
深い傷や沢山の涙を経て出来たもの。きっと。

その根っこの力強さに
いいぞいいぞ14歳！頑張ってる。と
思うけど

彼女の傷や涙を
直接知り得ないからこそ
苦しくもなる。

ユウ、沢山傷ついた？
ユウ、沢山泣いた？
まだ傷は痛い？
まだ涙は乾かない？

ユウより先に生きている者としては
傷も涙も、これからのユウの人生の大きな糧と思う。
どんどん怪我して泣いて泣いて逞しくなれと思う。

でもでも
ユウを愛している親としては
ユウの傷や涙を全部全部私が
事前に飲み込めればとも願ってしまう。

幸せな気持ちの根っこ
は

今まで傷ついた
今まで泣いた

痛い苦しい経験で強く太く育つ。

優しく強い気持ち
周りを思い、配れる目
沢山の　ありがとうに出会う事
ユウが
泣いた分だけ
傷ついた分だけ
ちゃんとちゃんと色々な事に気づけるから。ね。
大切な人を大切に出来るから。ね。
沢山のありがとうに気づけるから。ね。

優しく優しく強い気持ち
周りを思い、配れる目

根っこをしっかり伸ばしてはぐくんでね。


親になって初めて知りました。
ユウの幸せを
願うからこその
”見守る”苦しさと難しさ。


ただ　ユウが
”しあわせものだ”と言っただけなのに。ね。
色々想像して苦しくなる。

ユウが”しあわせもの”であることを
心から
いつも
いつも
いつも願ってます。